小ネタダイパログ置き場@です。
ここではダイパ発売前から妄想し始めた『シリアスシリーズ』を
まとめてあります。設定は全て同じで、出来事順に並んでいますが、
続いているとは限りません。♀主、♂主共に固定の名前はありません。
♀主は大富豪のお嬢様。♂主は博士の助手で、実はわけありです。
ちなみにライバルくんは一回も出てきません
お話の後の小さいのはコメントです。
↓のタイトルをクリックするとそのお話のところにとんじゃいます。
0.自由って何。
1.自由という茨
2.ボーイミーツガール
3.初めて自分に重力を感じた。(ここにいるのだとわかった)
4.君は広いと言うけれど
5.パートA
6.パートB
7.どうどうめぐりのいりぐちでぐち



『自由って何。』
過去とか未来とか、見えもしない時間軸にとらわれて
立ち止まってる時間なんてないの。私は行かなきゃ、
見たこともない丘とか森とか山や海、世界を越えてあの場所へ。
「君はいつも急いでる。何をそんなに焦ってるんだ?」
「焦ってなんかないわよ。小さい頃からの夢、叶える為に
できることをしたいだけ」
約束なんて束縛されるだけじゃないか、無理。
血だらけの私にすがる母。小さい頃のかすかな映像。
それ以降、ポケモンを見ることさえ許されなかった息苦しい
監獄のような屋敷での生活、もううんざりなの、母さん。
「自由って何。家の中で裕福に暮らすことが、自由なの」
「その問いに僕は答えられない。人によってその定義は
変化する。僕が君の自由について何か言うことはできない」
常に追われてる、家に、過去に、手探りさえ適わない未来に。
だから早く、行こう。あの場所に。あの人が待ってると
言ったあの高み。トレーナーの頂点。
安心できる場所を、お願いだからどうか私に!
「君は、恐れているな。他でもない、自分自身に」
「は、何言ってるの。馬鹿みたい」
「変に自分を演じるなよ。本当の君はもっと君の言う『自由』を
得ている筈なのに」
「知ったような口をきかないで」
何故、この人は。
やめて、触れないで、私の一番痛いところに。
「君は独りじゃないだろう」
嘘。
出来事順といいながら、これはいきなり違います。
シリアスシリーズの走りというか、元ネタとなった話なので最初に。



『自由という茨』
「あなたはわたしにいったいなにをきたいしているのですか」
少女の冷めた目は1ミクロンもずれずに父の目を射抜いている。
大事に大事に尖らせたたった一本の矢尻を、外すことなど、
愚行だ。
「わたしは、あなたののぞむような『オ嬢様』にはなりえません」
一切の装飾を取り払いフリルのあしらわれたドレスを脱ぎ去り、
わたしはわたしの家名さえも脱ぎ去って、1人の「ひと」に。
ノースリーブにミニスカートをまとって。
「さようなら、おとうさま。もうわたしはかえりませんから」
美しい糸のような黒髪と宝石のような容姿と明らかに一般人ではない
高貴な物腰。生まれだけは決して消えない。鎖のように少女を縛る。
それでも少女は、守られた籠の中より空を選ぶ。
自由を。
例えそれが茨の道であろうとも。
「さようなら、おかあさま」
私が今まで唯一愛したひと。
――シリアスダイパ
戦う術を知らない小鳥が外の世界へ。
実質1話目。閉じ込められてたお嬢様、お父様に反抗。家出しました。



『ボーイミーツガール』
「君、大丈夫だったかい」
「・・・ええ」
野生のポケモンに襲われた。
そこら中には、野生のポケモンがそのまま生きている。
だから、旅をする時はポケモンを捕まえて、守る術を
持たなければいけない。町の外は彼等のテリトリーで
草むらはその代表だ。屋敷の閉じられた生活の中で、
家庭教師に教わった初歩的なこと。
屋敷を抜けることができた高揚感からか、うっかり失念
してしまっていた。うかつなことをした。
「ごめんなさい。余計なことに手を患わせたわね」
「僕は別にそうは思ってないよ」
「そう」
おかしな人。第一印象はそれだ。
見ず知らずの自分が襲われていたのになんの躊躇もなく
助けに来た。正直理解、できないと思う。
「君は・・・自分のポケモンを持っていないのか」
「・・・」
自分に利益のあることなら話も分かるが、赤の他人を
助けることで生まれるメリットは有るのか?否自分の中では
想像しえない。
「その様子じゃ持ってなさそうだね。うーん・・・」
「待て」
「ん?」
「あなたたち・・・」
奥の草むらから突然でてきたのは、父専属の・・・
なんだったかは忘れたが、色々雑事をこなす集団。
それが今ここにいるということは、目的は理解できる。
「私を連れ戻せと?」
口にするまでもない。大柄の大人達は言外にそう
言っているように見えた。わかってる。こいつらは
父と父の命令が絶対で、自分のことなどモノのように
しか見ていない。例え父の娘でも。どう扱うかも
目に見えてる。それを承知で父はこいつらに私の・・・
捕獲を。回収を、命じたんだ。
向こうも本気ということだった。
「わかっているなら話は早い。戻っていただきますよ」
「嫌。もう私は帰らない。言った筈よ」
それは知っているのです。マスターの命令は
絶対ですから、さあ帰りましょう。口々に並べ立てられる
言葉の数々は自分にとって鋭利な刃物。
はっと気づいた瞬間、腕を掴まれた。
「さあ、帰りましょう」
「・・・っ」
なんて無力なんだろうか。ふりほどけない。
どうして私は外では生きられないの。
私は一生あの屋敷の中にいなければいけないの。
「君!」
え、と振り返ると先ほど助けてくれた男の子が
こちらをまっすぐ見ていた。ずっと浮かべていた
笑みは、何故か冷たく感じるそれに変わっていた。
一瞬別人かと思うくらいに。
「事情はよくわからないけど。『そっち』に
いきたくないんだね」
やつらがまた口々に文句を言い始めているのがわかる。
でもわかるだけでそれらが全部遠い音のようだ。
答えは決まっているから。
「いきたくない!私は、外の世界が見たいの!」
「そう。・・・それが聞きたかった」
「何が、起きたの?」
「閃光弾。強めのをね」
これつけてなかったら、一時的でも目が見えなくなる。
そう付け加えてから私にもかけていたそれを外して
鞄にしまいこんだ。レンズが黒っぽくて分厚いゴーグル
のようなものだった。
今私たちは走っている。私は彼に手をひかれている。
どうやら、一瞬のうちに私は彼に救い出されて
ゴーグルをかけさせられ、その後閃光弾(目くらましらしい)
とやらが発動して無事逃げ切ることができたとか、
そういうことらしい。正直よくわからないのだけど。
(というか、普通こういう、目くらましとかは、ポケモンの役目じゃ?
フラッシュっていう技とか、あったはずだけど。それよりまず
どうやって私をあいつらから?私、腕を掴まれていた筈なのに?)
「事情があるようだし、追っ手みたいなのから逃げるついで、
仕事を引き受けてみるつもりはないか?駄目元で頼んでる
ってのもあるんだけど」
なにがなにやらだ。いったい何者なのか、頼みたい仕事
とはなんなのか。大体今そういうことを頼むなんて
非常識では?外の世界はこういう人ばかりなのか?
「追われながら?・・・できると思う?」
「そうだな・・・大変なら、僕が一緒に行くから。
守ればすむことだ」
よくわからない。理解できる要素がひとつもない。
それでも、一応助けてくれたのだ。礼の一つ、言わないで
すますこともできまい。
「ありがとう。さっきも、今も。助けてくれて。
もし、私ができることがあるなら手伝うわ」
「どういたしまして。助かるよ。
とりあえず、行こうか。話を聞いてからだね」
「行く?どこへ?」
ざあ、と風が追い越していくのを感じた。
初めての感覚だった。森がひらけて、目の前が明るくなる。
まち、だ。
「ナナカマド研究所。僕の上司のところに」
旅がきっと始まる。
−−箱入りお嬢となにやら物騒な助手
旅は道連れとはいうけれど。
♂主くん登場。しかしこれ書いたときにはポケスペの♀主が
お嬢様になるとは思ってもみませんでした・・・。



『初めて自分に重力を感じた。(ここにいるのだとわかった)』
「『ポケモン図鑑』?」
「うん。このシンオウ地方に住むポケモンを全て記録する。
そういう仕事」
小さな町の入り口に、彼の言う『ナナカマド研究所』はあった。
残念ながら上司である『ナナカマド博士』は先ほど別の助手を
連れてシンジ湖へ向かったらしい。入れ違いになってしまった
ならしょうがない、と彼は奥からスーツケースを持ってきた。
「これがそのポケモン図鑑。どうせ旅をするなら何か目的が
あったほうがいいんじゃないかと思うんだ。あてもなく
進むよりきっと、楽しいよ」
「楽しい・・・?」
手渡された機械を、じっと見つめる。
それは初めて感じる感覚だった。家に居たときは、なにもかもを
メイドやらなにやらが全て片づけてしまったし、逆に自ら何か
しようとするとひどく怒られたのを覚えている。
自分は何かしようとしてはいけない。父の言うことは絶対。
そんな世界で育ってきた自分にとって、『何かを頼まれて、
それを行う』という行為は羨望の対象であって無縁のものと思って
いたのだ。それが今、ここにある。自分の手の中にある。
(私は、行動してもいいのよね)
楽しいと感じてもいいのよね。
初めて、張りつめていた何かがほどけたような気がした。
氷のような父と相対し、決別を叩きつけ、家を出て、
野生のポケモンに襲われ、そこを助けられ、家からの追っ手
から逃れた。半日にも満たないけれど、今までの味気ない生活
に比べれば一生分かというぐらい密度の濃い出来事。
ああ私はなんて狭いところにいたのだろう。外はこんなに明るくて
空気が澄んでいるのに。
「そうね、きっと楽しいわね」
「楽しいよ。今みたいに笑うことができる機会がいっぱいある」
「え?」
思わず口元に手をやった。
「初めて会った時から、ぎこちないなって思ってた。
表情を出すことに慣れてないんだ、君は」
「・・・」
「僕で良ければ、君が自然体になる為の手伝いをする。
君がちゃんと君になれるようにサポートできる」
そう言って笑いかけてくる彼を見て、今度こそはっきりと決めた。
「この仕事、引き受けます。よろしくお願いしますね」
あとは何か確信めいたもの。彼ならきっと、信じてもいい。
あの家の中の人たちのように、『お嬢様』の枠組みじゃなくて
『私自身』を見てくれる・・・『二人目』に、もしかしたら。
「こちらこそ。よろしく」
人生二回目の握手は、とても懐かしい暖かさを感じた。
−−ダイパ。お嬢様と助手な少年
(他人にこんなに執着したのはもしかしたら初めてかもしれない)
心の中でぽつり、と、少年。
ボーイミーツガールの続き。ちらっとライバル君の影が見えますね。
お嬢様、逃亡しながらポケモン図鑑を完成させることになりました。
タイトル長いですね。



『君は広いと言うけれど』
おやすみなさいと閉められたドアを見て
僕は自嘲気味に笑った。
「狭いさ。世界は。」
誰もいない空間で独り呟いた。
――ダイパ・♂主
少なくとも自分は見える範囲が精一杯だったから。
実は○○○○というわけありな♂主。
○○○○だということが明かされるシーンをいつか書きたいなあと思っていたり。
そこらへんが「シリアスシリーズ」たる所以だったりするので。



『パートA』
「私は、あなたと旅をして、
やっと自分を知りました」
遅すぎたけど、それには宝石以上の価値がある。
「ありがとう」
元居た巣に戻るけれど、大丈夫。
私はもう戦える。
自分の足で、歩いていける。
「またどこかで会いましょう。
約束よ」
――ダイパ
旅を経て得たのはどんな富より権力より力強いもの。
旅の終わり。♀主サイド。
旅を通して小鳥は雄々しく成長しました。



『パートB』
ありがとうなんて言われる資格は僕にはなかった。
彼女もその理由を知っていた。
それでも君は。
「ありがとう」
僕に言葉をくれるんだね。
「いつか、また」
――ダイパ
最低なはずの僕を君は救ってくれた
旅の終わり。♂主サイド。
わけあり♂主くんは成長したお嬢様に救われました。



『どうどうめぐりのいりぐちでぐち』
あの旅が終わってからずいぶん時間が経ちました、
今ではなんの変哲も無い日々にあくびがでそうになるくらいです、
そんなありふれた文面をつらつら手紙に書いた後、
それをぐしゃ、と丸めて捨てた。
立場上手紙を書く機会はたくさんあるし、書き方だって
ちょっとした友人宛からお偉い様宛まで熟知しているつもりだけれど、
ただどうしても彼に書く手紙だけはどう書いていいかわからない
ままだった。自分の最近のことなんて「あなたは最近どうしてますか」
を書くための飾りでしかない。でも何故か「あなたは最近どうしてますか」
その一文にたどり着けない。
何も浮かばなくなってしまうの。なんて。
柄じゃない、と首を横に振ろうが縦に振ろうが、それは現実で
今日9回目のため息の元凶であって要素であって。
要素。要因。ああ、もうそんなことを考えたいのではないのに。
こちらから催促しなければなんの連絡もよこさない人だとは
わかっているけれど、時折それがもどかしい。
自分でもその感情をなんと言い表せばいいのかわからない。
彼のことを考えると、苛々でも、焦燥でもないが、
ひどくそわそわしてしまうときがあるのだ。今はただ、あの旅を
通してたくさんのことを教えてくれた彼に感謝しているのだ、
彼を尊敬しているのだと自分で勝手に納得しているけれども、
いつそれが変わるかも知らない。知らないふりをしている。
今の距離が、とても心地いいから。
・・・ああらしくない、らしくない。
そのときコツ、と窓を軽く音がした。小鳥でもとまったのか、と
閉めていたカーテンをめくると、赤い帽子が見えた。窓を開ける。
息が止まるかと、思った。
「久しぶり」
「・・・玄関から来てくれてもよかったのに。
あなたらしいですね」
さっきまで思い描いていた彼その人が窓の外にいたのだから、
驚いて驚いて、考えていたことを見透かされたかとも思ってしまう。
この人はそれくらいできてもおかしくない。
「警戒されないようにと思って気配を抑えてたんだけど。
抑えすぎたみたいだ。不審がられてしまった」
あなたの家のボディーガードは優秀だ、と付け加えて
穏やかに笑う彼を見て、ああ変わってない、と思った。
それだけで胸のつかえが消え去るのを感じた。
「ここにいたら捕まってしまうかも。
私が迎えに行くから、ちゃんと玄関から入りなさい」
多少笑いを含めて言うと、いいやと彼は首を振った。
「ここがいいよ」
窓枠に手をかけて、壁を蹴って飛び身軽に部屋の中に
着地すると、何事も無かったかのように窓を閉めて、
さっとカーテンをひいてしまった。きっと私は驚いた
顔をしてるんだろう、彼は申し訳なさそうに頭をかく。
「ここなら、あなたとふたりだけでゆっくり話せるから」
見張られながら話すのはちょっとね、と。
「・・・そうね」
正面から正式に客として入れば、場所は広い客間、
しかも数人の見張りつきという、友人を招くには少し
肩身の狭い思いをさせてしまうシチュエーションになってしまう
だろう。容易に想像できて笑えなかった。私の立場のせいで。
表情を曇らせたであろう私に彼は言った。
「普通ならお嬢様にこんな会い方してはいけないのだろうけど。
旅先で、急にあなたに会いたくなったから。
すぐ飛んできたんだ。それなら、・・・ゆっくり話したい」
ああもう先ほどから驚いてばかりだ。相変わらず穏やかに笑む
彼は、わざわざ私に会うためにすっとんできたんだと言う、
その言葉にいつの間にか嬉しくてたまらない自分がいて、
珍しく舞い上がる心臓に叱咤する。冷静に!冷静に!
「会いたくなったからって・・・そんなことで」
何故か体中の熱が全部集まってしまったみたいに、顔が熱い。
隠すように両手で頬を覆えば、近づいてきて彼がその両手を掴んで
とってしまった。さらけ出された赤い顔の私を、両手をとったまま
見つめて、その顔からさっきまでの微笑が消えうせていたから、
手を振り払う前にその表情に呑まれてしまう。
「顔、隠さないで」
彼がさっき遮光カーテンまで閉めてしまったから、
部屋は薄暗い。心臓が、うるさい。
気づきたくなかったはずなのに(本当に?)
抱きしめてくれたうではとても、強かった。
――ダイパ・あの旅が終わったあとに
このままあなたを連れて行けたら。
(会えないのは何故かひどく息苦しい)
パートA・Bからすごくしばらく経った後の二人。
互いに大切だけど会いたいときに会えないのは、
ずっと一緒に旅してた頃から比べれば苦しいものかも。



♂主の「わけあり」や事情をを知りたい方は↓を反転してください。
書いてない部分の設定(所謂ネタバレ)なので伏せておきたい親心(?)
「実はギンガ団所属、幹部直属の諜報員。ナナカマド博士の
研究データ収集をする役目。ゲームでは存在する家族ですが、この設定ではいません。
♀主がギンガ団と対立するようになって事情が変わり、ギンガ団との攻防の中♀主を
裏切ることになります。最初のころから♀主を気にかけていたのは、
閉じ込められて育った♀主の境遇と、自分がギンガ団から逃れられない境遇が
似ていたから、自分と同じ道を辿って欲しくなかったが故。」
♂主が裏切った後には一時的にライバルくんが入ったりします。