小ネタRSEログ置き場@です。
ここではMy主人公設定のお話を置いています。
S♀主→リオ、E♀主→スオウとなっています。
順番は関係なしで並んでます。
お話の後の小さいのはコメントです。
↓のタイトルをクリックするとそのお話のところにとんじゃいます。
すれ違う瞬間なんてあっけない。(S)
昇れ、頂。(E)
願い、想い、流れ星。
迷いの森の。(S)



『すれ違う瞬間なんてあっけない。』
「なあ、リオ」
「?なに?」
風が強い日だったと思う。リオはトレードマークの
赤いバンダナを外していて、明るい茶色の髪が
太陽光を反射してさらさらと輝いてた。
「・・・なんでもない」
「そう」
呼ばれて振り返ったリオはまた空へ目を向ける。
突き抜けるような青い空だ。
リオは、全てのジムを制覇して帰ってきた。
大して自慢げにする風でもなく、ただいまといって帰ってきた。
腰のカバンにはジムを制覇した証のジムバッジがずらり勢ぞろい。
旅の序盤であったときと変わらぬ馴染みのメンバーが
ボールに大人しく収まっていた。
「久しぶりだね」
あまりにも普通の態度すぎて逆に面白くて、笑ってしまったんだ。
それでも、確かにリオは変わっていたんだ。
特に、そうだ、親父さんを倒した時から。
「お父さんに勝ったんだ。なんか変なキモチだよ」
そういえばあの時も特別喜んだふうもなく淡々と
手紙につづられていた気がする。
なんで喜びを表面にあらわさないのか。
不思議だった。普段はとてもよく笑う子で(ソレを可愛いとか思って
しまっていて)、なのに。
血だった。彼女はあのセンリの娘だ。まぎれもなく、
たった一人の子供にして娘。普段こそ隠されているけれど、
その鋭利なナイフのように研ぎ澄まされた戦いのセンスと
沈着冷静な魂が彼女の中に大きく根付いてる。
1回1回勝ったくらいで喜ぶわけが無い。さらにその先へ常に。
能ある鷹は爪を隠すとはよく言ったものだ。大当たりだ。
「ねえ」
「ん?」
「私、行くよ。天辺に、行ってくる」
立ち上がって振り返ったリオの瞳には突き刺すような光。
脈々と息づく、戦神の血。
「お前なら行けるよ。頑張って来い」
「!・・・ありがとう!」
俺も立ち上がって手を差し伸べた。一瞬きょとんとした
顔でそれを見てから、にこっと笑ってリオは俺の手を取った。
姫が女王になる前に、天辺に上り詰める前に。
しがない一般市民の俺に、差し出がましいですがエスコート
させてください。
きっと天辺に行った彼女は手が届かないくらい遠い人になる。
あの空の雲みたいに遠く、高く。
気高い鷹は飛び立ってしまう。
「リオ」
「うん」
「また会おうな」
「うん」
「絶対だ」
「絶対、ね」
約束といえば聞こえはいいけど、これは多分鳥かごだ。
結局はただの独占欲なんだ。
気高い鷹が望むのは空なのに。
「ばいばい」
そうだ、この日を境に俺達はただのおとなりさんでいられなくなって。
「じゃあな」
あれから気高い鷹は、今だ大空を飛んだままだ。
まだ籠には、戻ってきてない。
二度と戻らないかもしれない。
ごめんなさい、さよなら。
そんな言葉、聞かせないでくれよ。
――サファイアver・♂主と♀主リオ。
鷹の止まり木はひたすらに鷹を待ち続けて。
このふたり本当はハッピーエンドのはずなんですが、
何故だかこんな話に。♂主くんの心配のしすぎだと
思ってください(笑)♂主くん名前決まってないな・・・。



『昇れ、頂』
空を貫く塔の頂、天空の王が住まう場所。
岩だらけのその場所に、まさにその王が鎮座していた。
翡翠に輝くしなやかな巨体。
鋭い目は、初めからあたしをとらえていた。
待っていたかのように。
「レックウザ」
カイオーガ、グラードンを鎮めたあと、
あたしに視線を投げかけて消えた王様。
その意味を、教えて。今がその時だ。
王・・・レックウザはその頭をこちらへ向けた。
――待っていた。我が主たりえる者が現れるのを。
――待っていた。それにふさわしき器と血を持つ者を。
「それが、あたしなんだね」
――そう。戦の血をひきし娘。
――見事我を打ち負かして見せよ。我が主たることを
示し、永き歴史、空白にうつろう役割に座するがよい。
「・・・そうか」
腰のモンスターボールに手を添える。内側から
応えるようにかたかたと、あたしの仲間、友達の意志。
唇の端が、く、と上に上がった。
「天空の王たるレックウザ、主選定の折、私を
選んでくれたこと、感謝する」
朗々と、声高に。足をぐっと踏みしめる。
「貴方の主となるにふさわしい闘いをすると誓おう!」
――・・・感謝する。
ぐう、とレックウザの巨体が起き上がる。見上げる高さ。
空高き塔の頂の上、なお高く広大な虚空に、王の咆哮。
ホウエン全土に響く、闘いの合図。
「行くよ!!」
地を蹴る。レックウザが飛び上がる。
最初のボールに手をかけた。頼むよ、相棒。あたしの親友。
――来い、娘!
張り詰めた空気、爆発するくらいの高揚、
地上の誰も知り得ない、最大のバトルが今始まった。
――エメラルド・レックウザと♀主スオウ
永き歴史を越えて、世界は真の王の誕生を見るか。
Eプレイ時、ちゃんと聞くべき話を聞き逃していたようで、
レックウザがいる場所を知らないのに選択肢で出てきて
それ何処よ、ってなったのがE♀主のこの設定の発端です(長い)



『願い、想い、流れ星。』
ずっと、ここじゃないとおいどこかにいきたかったんだ。
でもそこはとおすぎて、とどかなかった。
とどかなかったんだ・・・。
僕はちゃんと笑えているだろうか。
ちゃんと笑って別れを、言えてるのかな。
最後の別れを。
「だから君は、流れ星になるのね」
泣いてる女の子。ずっと一緒にいた女の子。
泣かないで君は泣かないでどうか、僕の最後の願い。
「流れ星は、願いを叶えてくれる星。
だから私、ずっと願ってる。どうか君が願う
『遠く』へ行けるように・・・」
最後に握手した。何回も握ってきた君の手。
暖かい手。
「さよならは、今度に取って置いてよ。
ね、だから、いってらっしゃい」
今度。
きっともうないんだ。
何も言わないで僕は飛び立った。
山々に囲まれた、僕達の楽園、時が止まったあの場所から。
君とずっと一緒に居たかった。でも、僕はずっとここじゃない
どこかにも行きたかった。
ごめんね。
少年は流れ星になった。
その流れ星はある願いを抱いて流れ続けて、そのうち
『願い星』って呼ばれるようになったんだって。その
女の子に笑顔で居て欲しい。その願いを胸に抱いたまま、
それが叶えられているかも知る術がないまま、
今も誰かの願いを叶えながら『遠く』へ・・・。
「貴方が、『願い星』ジラーチ・・・?」
『貴方の願いは?』
ごめんね。
――ジラーチ
私の願いは、もう一度貴方に会うことです。
ジラーチについて捏造話。時間の止まった楽園から飛び出した
少年の魂の話。多分今もそのどこか遠くを目指して流れ続けているのでしょう。
公式無視で書いたものですが割りと気に入っています。



『迷いの森の。』
「おいあんた!そこのあんただよ」
暗い森の中を歩いていたら、木の上からやたら無邪気な
声で話しかけられるという出来事があった。
呼ばれて見上げると、太い枝の上に一抱えサイズの
ゲンガーがケタケタ笑っていた。
「おまえ、ひとの言葉を話せるの?不思議な子ね」
「へん。にんげんのことばなんておれにとっちゃ
あさめしまえさ」
ちょん、と枝から飛び降りると、私の隣に立って、
小柄な体で私を見上げた。顔は相変わらずケタケタ
笑ってるようなにんまり顔だ。
しゃがんで子供にするように目線を合わせると、
そのゲンガーは満足そうにフン、とふんぞりかえった。
「このへんはもりのおくすぎてなかなかにんげんも
とおらない。みちもないんだぜ。へたすると
まよっちまうんだぜ」
「そうだね、見るからに迷いそうな森だもんね」
「おまえがおれにおねがいするなら、このもりを
あんないしてやるよ。おまえ『とれーなー』って
やつだろ?ぽけもんがかくれてるとことか、
しりたくないか?」
「うん、知りたい。じゃあお願いできるかな、ゲンガー」
「まかせろ!」
そうして私はこの小さなゲンガーに、迷いの森の
道案内をお願いした。草が鬱蒼と生い茂り木々の
葉が空を覆い隠して真っ暗なこの森を、ゲンガーは
惑いもせずにスタスタと歩いていく。
小さくてもここで生きているポケモンだ。さすが!と
えらく感動したのを覚えている。
おかげでこの森の生態系とかポケモンの暮らしの
調査はすいすい順調だ。
「ゴーストポケモンがいっぱいいるんだね。
やっぱり暗いこの森は住みやすいの?」
「ここはくらいだけじゃねえのさ。くうきはじめじめ
してるしつちはしめっぽい。まよいやすいいんきさ
がくせになって、なかなかこのもりからぬけだせなくなる
んだぜ」
「そうなんだ・・・あ!ゴースがいる!」
持っている小さなスケッチブックにすばやくスケッチ
していると、あの小さなゲンガーが不思議そうに私を
見上げてきた。視線でどうしたの、と聞いてみると
ゲンガーは肩(と思われるところ)をすくめてみせた。
「おまえへんなやつだな。ここにすすんでくるやつは
そうそういないし、おれらごーすとぽけもんを
よろこんでかんさつするやつなんて、はじめてだ」
「そう?私、ゴーストポケモン、結構好きなんだけどな」
おまえのことも、好きになったよ。
言いながら小さなゲンガーの頭を撫でてみる。
すると急にあわてた様子でそっぽをむいてしまった。
そのやたらあせる様子が可愛くて、笑ってしまったんだっけ。
森中をくまなく観察し、ここに住むポケモン全てを
スケッチブックに書き留めて、土地の特徴もみんなメモして、
丁度森の出口に着いたとゲンガーが教えてくれた時、
ふと体に違和感を感じた。力が入らなくなってその場に
座り込んでしまう。あのゲンガーが、笑い顔のまま静かに
こっちを見ていた。
「なかなかたのしかったけど、ここまでだ。
みちあんないのだいきん、あんたのいのち、もらうぜ」
そういえば、と思い出す。ゲンガーは命を奪うタイミングを
ひっそりと伺っているんだっけ。
なるほどこれは油断したなあとのんきに考えた。
「いちにんまえにならないとここからでられないんだ。
それにはやんなきゃいけないことがある。
これをやんないと、おれ、そとにでられないんだ」
ゆるりと襲ってくる眠気に、抗えないまま、地面に
倒れる。ゲンガーが神妙な顔で見下ろしていた。その顔に
もうあのニカニカした笑みは無くて、なんだか寂しかった。
「おまえに必要なものなら、あげる。だから笑ってよ。
・・・外に、出られるんでしょう?良かった、じゃないか」
精一杯の力でもう一度ゲンガーの頭を撫でた。
これがしんどかった。腕をあげるにも全然力が入らなかったのだから。
ああこれは、ユウキに怒られるなあ。そんなことを思って
目を閉じた。でも、私は死んだりしなかった。
ふっと全身に力が戻ってきたのだ。
「あれ」
「やめだやめだ!!あんたのいのちとったって!
なんかいやなきぶんになるだけだ!ちくしょー」
むっくり起き上がるとあの小さなゲンガーがその場で
地団駄を踏んで怒っていた。ひょいっと抱き上げて
ひざの上に乗せてみる。案外重い。
「やっとここからでられるとおもってたってのに。
きたのがあんたみたいなへんなやつなんて、うんがわるいぜ」
「じゃあどうして取らなかったの?」
「・・・あんたのこときにいっちまったの!」
普段深い闇の色をした顔を赤く染めつつゲンガーは
私の腕の中でじたばたもがいていた。照れ隠しらしい。
「みちあんないのだいきんはまけてやるよ。
さっさとここをでな。このもりはじつはおれみたいなやつばっかりだ。
にんげんがくるのをずっとねらってるやつらがいっぱいいるんだ」
「でもタダなんて悪いな・・・そうだ!」
私は頭に巻いていた真っ赤なバンダナを解いて、ゲンガーの頭の、
左側の突起に巻いた。ここ、なんだろう?耳かな?
言いながらきゅっとはしを結ぶ。
「これでお代ってことで。どう?」
ゲンガーはしばらくほうけたようにしていたけど、私のバンダナを
気に入ってくれたようでご機嫌な調子で周りを飛び跳ねた。
「おれ、ほかのほうほうをさがしていちにんまえになる。
このもりをでられたら、これをつけてあんたにあいにいってやるよ」
「そっか!頑張って。待ってるからね」
「なまえきいてなかったな。あんたのなまえは?」
「私?私の名前はね、リオ」
「リオ!リオだな。おぼえたぞ。
ぜったいあいにいってやるからな!」
そうして私はその森をあとにした。人の命を狙うゴースト
ポケモンがたくさんいる危険な場所、でも私は博士にそのことは
黙っていた。何故かあの小さなゲンガーが、自分だけじゃなくて
森をまるごと変えてくれるような、そんな確信があったから。
その予感は当たっていて、数年後のあの森は美しく生まれ変わるのだけど、
そしてあの小さなゲンガーが立派に成長をとげて私に会いに来るのだけど、
それはまた別の話。
コンコン。
「お客さんだ。リオ、ちょっと出てくれないか?」
「わかったー」
ガチャ。
「あっ」
「会いに来てやったぜ」
――RS・♀主リオとゲンガー
約束、守ったぜ。
ゲンガーの図鑑説明を見て書いた話。実は怖い解説結構あるよね。
この森何処?地図に載ってないとこです。だから博士に調査頼まれたんです。
あと『あなた』の意味の『おまえ』という呼びかけが好きなのでつかいました。


